2010年4月24日土曜日

JAniCAって何?

先ずJAniCAについて、私なりの理解をご説明しておきます。当然ですが、この記事を含め、このブログの記事一切は私の個人的な見解であり、JAniCAとしての公式なコメントではありません。念のため。

JAniCA(じゃにか)は、正式名称を「一般社団法人 日本アニメーター・演出協会」といい、アニメーターや演出家などのアニメ制作関係者、約700名強(2010年3月末現在)が所属する業界団体です。JAniCAは、英語名称であるJapan Animation Creators Associationから取った略称です。

JAniCAは、2007年10月に発足し、2008年5月に無限責任中間法人として法人化、その後、法改正に伴い2009年11月に一般社団法人へと改組(かいそ)しました。JAniCAは理事会設置一般社団法人ですので、JAniCAの運営は、6名の理事と1名の監事(私です)によって構成される理事会によって行われ、更に年に1度、会員総会(社員総会)が開かれています。また、JAniCAは法人化以前には、「運営委員会」という組織による運営を行っていました。そこで、現在でも理事および監事のほか、運営委員の方々が一種のオブザーバーとして、毎月1回の理事会に参加されています。

JAniCAのやっていること、やってきたことは、およそ新人教育、福利厚生および調査研究の3つです。

新人教育としては、主に若手アニメーターらを対象としたパース講座や演出志望者を対象とした絵コンテ講座などを実施してきました。

福利厚生としては、2008年6月の文芸美術国民健康保険組合への団体加入を通じ、アニメ業界で圧倒的多数を占めるフリーランスのアニメーター、演出家やその他の業界関係者に対し、有利な健康保険を提供しています。

調査研究については、2008年4月に行った制作単価の予備調査、2008年10月から12月にかけて実施したアニメーター実態調査、2009年度に日本動画協会(http://www.aja.gr.jp/)から再委託を受けて実施した、経済産業省のアニメ産業コア人材育成事業などがあります。実態調査については、2009年5月に東京大学で実施したシンポジウムの際、報道もされましたので、ご存じの方がおられるかもしれません(20代アニメーターの平均月収は10万円以下――アニメ産業が抱える問題点とは?)。

そのほか、JAniCAでは、業界内外からの各種問い合わせやお申し出に対する対応、マスコミからの取材対応などをしています。今年は、初めて東京国際アニメフェア2010にも出展させていただきました。また、これは副代表である神村さんが主として関わっておられる事業ですが、2010年2月にはJAniCAが協力という形で新しいアニメスタジオ「アニタス神戸」も開所されました。

これらの動きは、JAniCAを以前からご存じの方であれば、ある程度把握しておられるかもしれません。ただ、その意図や関係については、これまであまり触れられてこなかったように思います。このブログでは、そういったことについても、私なりの理解をご紹介していきたいと考えています。

最後に、JAniCAの運営を支えている財政面に触れておきます。JAniCAの収入は、その殆どが会員からの会費収入で、その他の収入源としては、寄付や事業収入(今年度は白書の売上げなど)があります。昨期(平成20年度)は約15万円の赤字でしたが、今期は会員増もありなんとか黒字を計上できる見込みです。会計報告は、JAniCAのWebサイトで公開されています(平成20年度はこちら)。

今のところ、JAniCAに専属の事務員さんはいません。私を含め、運営に関わっている方々は、常務(理事会への出席など、JAniCAの運営に関する業務)に対する固定的な報酬がないという意味では基本的にボランティアです。会員の入退会や保険処理に伴う事務作業は、外部に事務委託しています。月に1回の理事会は、杉並アニメーションミュージアムの1室をお借りして開催されています。昨期までは、交通費や事務経費などの必要経費などについても、相当程度が自己負担という状況でしたが、今期は事務経費をなんとかまかなえる程度になりました。

とはいえ、JAniCAも徐々に具体的な実働を伴う作業が増えてきました。そこで、常務以外の活動に関する人件費に関しては、外部収入のある事業についてはその収入の範囲内、つまり、一般事業であれば社会通念、官公庁事業であれば会計検査院のルールと所管官庁の監督に従って支払いを行い、外部収入のない事業については、会費収入を原資として、内部規定に基づく支払いをすることを基本方針として対応しています。